世界的な音楽現象を巻き起こしてきたことで知られるHYBE Corporationが、同社初となるラテンアメリカ出身のボーイズグループ「Santos Bravos（サントス・ブラボス）」を正式に世に送り出しました。
このプロジェクトの始動は、大規模なリアリティ番組の集大成であり、K-POPの持つ厳格な規律と、ラテンアメリカ固有の文化的な活力を戦略的に融合させたことを示しています。彼らの登場は、世界の音楽シーンに新たな方向性を切り開く画期的な出来事として注目されています。
グループは2025年10月22日、メキシコシティに位置する名門Auditorio Nacionalでデビューコンサートを開催し、そのベールを脱ぎました。この会場は、地元の人々から「ラテンアメリカ音楽の聖地」と称される場所です。用意された10,000枚のチケットは記録的な短時間で完売し、HYBE LabelsのYouTubeチャンネルで実施されたライブ配信には、世界中から70,000人以上の視聴者が集まり、その関心の高さを証明しました。
Santos Bravosは、デビューの翌日である2025年10月23日には、早くも「ビルボード・ラテン・ミュージック・ウィーク」に出演する予定です。彼らはそこで「The Making of Santos Bravos」と題されたパネルディスカッションに参加します。これは、彼らがデビュー直後からグローバルな音楽対話の渦中に組み込まれたことを裏付けています。
グループ結成の道のりは、2025年7月に開始された集中的なリアリティプロジェクトから始まりました。ラテンアメリカ諸国、スペイン、そして米国から選ばれた17名の参加者は、数カ月にわたりK-POPメソッドに基づく徹底的なトレーニングを受けました。この訓練では、ボーカル、高度な振り付け、そして感情的な自己表現が一体となって指導されました。
6ヶ月間にわたる厳しい訓練期間を経て、最終的に以下の6名のメンバーが選出されました。
ケネス・ラヴィル（メキシコ）
ジョナ・ガルシア（メキシコ）
ガビ・ベルムデス（プエルトリコ）
アレハンドロ・アランブル（ペルー）
カウエ・ペンナ（ブラジル）
ドリュー・ベネガス（米国/メキシコ）— グループのリーダーを務める25歳です。
最年少メンバーのケネスは、この過程を振り返り、「この6ヶ月間は試練の連続でしたが、私たちはそれを乗り越えることができました」と、強い決意を込めて語っています。
コンサートで初披露されたデビューシングル「0%」は、シャキーラやダディー・ヤンキーといったマルチプラチナアーティストを手がけてきたプロデューサー、ジョニー・ゴールドスタインが制作を担当しました。この楽曲は、ポップのキャッチーなメロディラインに、アフロビートのリズムとエレクトロニックな脈動を巧みに融合させています。その歌詞には、今を生きること、そして新しい始まりを恐れないようにというメッセージが込められています。
Santos Bravosの船出は、HYBEという共通の創造的旗印の下で、いかにして多様な文化の才能が統合され、その真正性と情熱を保ちながら新たな価値を生み出せるかを再定義する触媒となりました。これは単なるデビューに留まらず、ラテンの魂が東洋の精密さと出会い、「統一のリズム」を奏でる、世界音楽史の新たな一ページを開くものです。