サセックス公爵夫妻であるハリー王子とメーガン・マークルさんが、ダイアナ元皇太子妃をテーマにしたドキュメンタリー制作に関して、動画配信大手Netflixと初期段階の協議に入っていると報じられています。このプロジェクトは、ダイアナ元妃の死後30周年にあたる2027年に公開される可能性があり、夫妻が最近更新したNetflixとの契約の一環となる見込みです。
このドキュメンタリーの企画は、英国王室内に懸念を引き起こしていると伝えられています。特に、ウィリアム皇太子はこのアイデアに「不快感を示している」とされ、王室関係者は、このプロジェクトが兄弟間の和解努力を妨げる可能性があると指摘しています。関係者によると、ハリー王子はウィリアム皇太子をこの企画に巻き込みたいと考えており、それが母の願いに沿うものだと信じているとのことですが、ウィリアム皇太子が参加するかどうかは不透明な状況です。
夫妻は2020年にNetflixと複数年契約を結び、その後、ドキュメンタリーシリーズ『ハリー&メーガン』やメーガン妃のライフスタイル番組『ウィズ・ラブ、メーガン』などを制作してきました。今回の新たな契約は、以前の独占契約とは異なり、Netflixがアーチウェル・プロダクションズのコンテンツに対して優先的に視聴権を持つ「ファースト・ルック契約」として再構築されたと報じられています。この契約更新は、夫妻がメディア分野での活動を継続する意欲を示すものですが、同時に、その内容が王室との関係にどのような影響を与えるかが注目されています。
王室専門家らは、ハリー王子が母の遺産を自身の視点で語るドキュメンタリーを制作することは、ウィリアム皇太子との関係にさらなる亀裂を生む可能性があると警告しています。過去、兄弟はダイアナ元妃の死後20周年にあたる2017年に共同でドキュメンタリーに出演しましたが、その際にウィリアム皇太子は「これ以上、母について公に語ることはないだろう」と示唆していたと伝えられています。今回のハリー王子単独での企画は、この過去の発言とも対立する可能性があり、兄弟間のデリケートな関係性をさらに複雑化させる懸念があります。
一方で、ハリー王子は母の記憶を大切にしたいという強い思いを持っており、この記念すべき年に兄弟が共に母を追悼することを望んでいると見られています。しかし、王室内の緊張関係や、過去のメディア露出がもたらした影響を考慮すると、このドキュメンタリーが、家族間の絆を修復する機会となるか、それともさらなる対立を生む火種となるかは、今後の展開次第と言えるでしょう。Netflix側は、ダイアナ元妃の普遍的な魅力とハリー王子自身のストーリーテリングへの期待から、このプロジェクトに強い関心を示している模様です。