元スパイス・ガールズのメンバーで、現在は世界的に著名なファッションデザイナー兼実業家であるヴィクトリア・ベッカムが、自身のキャリアとファッション帝国構築の道のりを追ったドキュメンタリーシリーズで、2025年10月9日にNetflixに登場します。この3部構成のシリーズは、夫であるデヴィッド・ベッカムが設立したスタジオ99が製作を手がけ、エミー賞受賞監督ナディア・ハルグレンがメガホンを取ります。
このドキュメンタリーは、ベッカムがポップスターからファッション界のアイコンへと変貌を遂げるまでの、知られざる舞台裏を深く掘り下げます。シリーズでは、彼女の創造的なプロセス、ビジネス上の課題、そしてパリ・ファッションウィークでの準備風景など、普段は見ることのできない彼女の姿が描かれます。特に、予期せぬ雨に見舞われたパリでのショー準備は、彼女の不屈の精神と決意を浮き彫りにするでしょう。
番組は、ベッカムの個人的な生活にも触れ、友人や家族の証言も交えながら、主に彼女のプロフェッショナルな功績に焦点を当てます。長男ブルックリン・ベッカムとその妻ニコラ・ペルツは登場しませんが、デヴィッド・ベッカムはシリーズ全体を通して登場する予定です。これは、2023年に大成功を収めたデヴィッド・ベッカムのドキュメンタリーシリーズ「BECKHAM」に続く、ベッカム夫妻の新たな一面をファンに届ける試みとなります。
ベッカムのファッションビジネスは、2008年のブランド設立以来、多くの挑戦に直面してきました。長年にわたり赤字が続いていたものの、2024年には売上が52%増加し、1億1270万ポンド(約210億円)に達するなど、着実に成長を遂げています。この成長は、オンライン販売の好調や、ベルトや香水といった新製品ラインの成功に支えられています。ブランドの持続的な発展のため、ベッカム夫妻や投資会社ネオ・インベストメント・パートナーズからの継続的な資金注入が行われており、これは彼女のビジョンへの揺るぎない信念と、困難を乗り越えて事業を再構築しようとする強い意志の表れと言えるでしょう。彼女のファッションレーベル自体は黒字化しており、長年の努力が実を結びつつあります。
このドキュメンタリーシリーズは、単なるキャリアの記録に留まらず、変化し続ける世界の中で自己を再定義し、情熱を追求し続けることの重要性を示唆しています。ベッカムの道のりは、逆境を成長の機会と捉え、自身の内なる力を信じて進むことの力を、静かに、しかし力強く伝えています。