マット・デイモンとベン・アフレックが、2026年1月にNetflixで配信予定のクライムスリラー映画『ザ・リップ』で共演することが決定しました。この映画は、マイアミ市警の警察官たちが隠された大金を発見した後、彼らの間に生じる信頼の崩壊を描いています。監督はジョー・カーナハンが務めます。
本作には、スティーヴン・ユァン、テヤナ・テイラー、カタリナ・サンディノ・モレノ、カイル・チャンドラー、サシャ・カレ、ネスター・カーボネル、リナ・エスコ、スコット・アドキンスといった実力派俳優陣も名を連ねています。『ザ・リップ』は、デイモンとアフレックが共同設立したスタジオ「アーティスト・イクイティ」が製作を手がけ、1970年代の刑事ドラマにインスパイアされた重厚な物語が展開される予定です。この映画は、2026年のNetflixラインナップの中でも特に注目される作品の一つであり、二人の実力派俳優による待望のコラボレーションとなります。
ジョー・カーナハン監督は、「ナルク」や「スモーキン・エース」といった作品で知られ、その独特な映像表現と緊迫感あふれる演出で評価を得ています。彼の過去作には、リアリティを追求した刑事ドラマや、予測不能な展開が魅力のサスペンス作品が多く、本作でもその手腕が遺憾なく発揮されることでしょう。カーナハン監督は、自身の友人がマイアミ・デイド警察の麻薬取締部門で経験した個人的な出来事や、70年代の刑事ドラマへの深い愛情から本作の着想を得たと語っています。特に、登場人物たちの人間関係や葛藤に焦点を当てた作品作りを目指しているとのことです。
「アーティスト・イクイティ」は、デイモンとアフレックが2022年に設立した制作会社で、クリエイター主導の制作モデルを掲げています。彼らは、俳優やスタッフへの収益分配をより公平にすることを目指しており、映画製作における新たな形を模索しています。同社はすでに、『ザ・リップ』は同社にとって重要な作品となるでしょう。
1970年代の刑事ドラマは、当時の社会情勢を反映した、より現実的で複雑な人間ドラマを描く傾向がありました。例えば、「セルピコ」や「フレンチ・コネクション」、「ヒート」、といった作品は、警察内部の腐敗や倫理的なジレンマに深く切り込み、後の刑事ドラマに大きな影響を与えました。『ザ・リップ』は、こうした70年代の作品が持つリアリティと重厚感を現代に蘇らせることを目指していると考えられます。マイアミという舞台設定も、過去には「マイアミ・バイス」のような人気ドラマを生み出しており、犯罪と隣り合わせの都市のイメージが、本作のダークな雰囲気を一層引き立てることでしょう。この映画は、単なる犯罪スリラーにとどまらず、人間の本質に迫る深い洞察を提供してくれることが期待されます。