ハリウッドの伝説的女優キム・ノヴァク(92歳)が、第82回ヴェネツィア国際映画祭でゴールデン・ライオン生涯功労賞を受賞しました。この映画祭は8月27日から9月6日まで開催されています。
ノヴァクは、アルフレッド・ヒッチコック監督の『めまい』で広く知られており、その輝かしいキャリアと映画界への多大な貢献が称えられました。授賞式には、長らく公の場から遠ざかっていたノヴァク本人が出席し、会場からは温かいスタンディングオベーションが送られました。
授賞式では、アカデミー賞受賞監督ギレルモ・デル・トロがノヴァクへの賛辞を述べ、彼女の芸術性と自己表現への敬意を表しました。ノヴァク自身も、「人生のこの段階で、私の作品がこのように評価されることは夢のようです。ヴェネツィアでのすべての瞬間を大切にするでしょう」と感動を語りました。
今回の映画祭では、ノヴァクが制作に協力したドキュメンタリー映画『キム・ノヴァクのめまい』もワールドプレミア上映されました。この作品は、女優としてのキャリア、ハリウッドシステムへの独自の視点、そして絵画への情熱など、彼女の多岐にわたる人生の側面を掘り下げています。
ノヴァクの映画界への影響は、最近の出来事からも伺えます。女優シドニー・スウィーニーは、今年のメット・ガラでノヴァクが1967年の映画『ライラ・クレアの伝説』で着用した衣装にインスパイアされたドレスを着用し、敬意を表しました。スウィーニーは、ノヴァクを演じる今後の映画についても言及しており、ノヴァクのレガシーが次世代に受け継がれていることを示しています。
ノヴァクは、これまでにゴールデングローブ賞を2度受賞し、ベルリン国際映画祭では名誉ゴールデン・ベア賞なども受賞しています。キャリアの絶頂期にハリウッドのコントロールから離れ、自身の芸術的探求を追求する道を選んだ彼女は、単なる銀幕のスターに留まらず、自身の道を切り開いた先駆者としても評価されています。