2025年9月25日、トルコ西部アイドゥン県に位置する古代都市トラレイリスが、国際神話映画祭の会場となり、文化的な賑わいを見せます。この映画祭は、エフェス地区のネヴザット・ビチェル・カンファレンス・ホールで開催されます。
当日のプログラムには、子供向け映画「Earwig's Song」と、トロイア戦争の伝説を現代的に描いた「His Troy」の上映が含まれます。また、スウェーデンのデュオ、YoJulietによる神話や文学をテーマにした音楽コンサートも予定されています。彼らの音楽は、神話の世界観と現代的な感性を融合させた独特のスタイルで知られています。
さらに、「人類の共有された物語」と題されたパネルディスカッションでは、著名な教授陣と映画祭ディレクターが登壇し、神話が現代社会に与える影響や、物語が持つ普遍的な力について議論を深めます。その後、作家のオズレム・エルタン氏がヒッタイト神話の物語について講演を行います。エルタン氏は、アナトリアの古代文明、特にヒッタイト文化に関する深い知識を持ち、その神話の世界を分かりやすく解説することで定評があります。
トラレイリスは、紀元前13世紀にトラキア人とアルゴス人によって設立された古代都市であり、ローマ時代には商業、教育、芸術の中心地として栄えました。特に、彫刻工房や学術機関で有名であり、ハギア・ソフィア大聖堂の共同設計者であるアンテミオスや、医学史における重要な人物アレクサンドロスを輩出した地としても知られています。また、世界最古の記譜法を持つ楽曲とされるセイキロスの墓碑銘がこの地域で発見されたことは、トラレイリスの豊かな文化的重要性を示しています。
これらのイベントはすべて無料で一般公開されており、神話の世界をより深く理解し、現代の芸術との繋がりを探求する貴重な機会となるでしょう。この映画祭は、神話という普遍的な言語を通じて、異なる文化や時代を結びつけ、人類共通の物語を再発見することを目的としています。トラレイリスの歴史的な雰囲気の中で繰り広げられるこれらのイベントは、参加者に忘れられない体験を提供することでしょう。