アカデミー賞を3度受賞した名優ダニエル・デイ=ルイスが、8年間の沈黙を破り、俳優業に復帰することが明らかになりました。復帰作となるのは、息子のロナン・デイ=ルイスが監督を務める長編デビュー作『アネモネ』です。本作は、父と息子が共同で脚本を手掛けており、デイ=ルイスにとっては2017年の『ファントム・スレッド』以来となる演技となります。
『アネモネ』は、兄弟、父と息子といった家族間の複雑で深いつながりを描いたドラマです。デイ=ルイスはレイ・ストーカー役を演じ、疎遠になった弟ジェム役をショーン・ビーンが務めます。その他、サマンサ・モートンやサミュエル・ボトムリーといった実力派俳優陣も出演しています。
本作は、ロナン・デイ=ルイスにとって初の長編監督作品であり、脚本も父ダニエルと共同で執筆しました。製作はブラッド・ピット率いるプランBエンターテインメントが手掛け、配給はフォーカス・フィーチャーズが担当します。すでに賞レースでの注目を集めており、期待が高まっています。
物語は、森の中で疎遠になっていた二人の兄弟が再会する旅を描いています。彼らの関係は、数十年前の複雑な過去と衝撃的な出来事によって形作られています。『アネモネ』は、2025年10月3日にアメリカで限定公開され、翌週には全米に拡大公開される予定です。
デイ=ルイスは、2017年の『ファントム・スレッド』公開後に俳優業からの引退を発表していましたが、今回の復帰について「引退するつもりはなかった。ただ、しばらく別の仕事をしたかっただけだ」と語っています。息子ロナンが「父が出ないなら、自分もやらない」と伝えたことが、復帰の大きなきっかけとなったようです。彼は、俳優業そのものは愛していたものの、それに伴うライフスタイルには馴染めなかったと明かしています。しかし、今回の『アネモネ』では、息子との共同作業という形で、よりパーソナルな形で映画製作に関わることができたようです。本作の脚本は2020年から執筆が開始され、撮影は2024年10月1日にマンチェスターで開始されました。