夕暮れ時、空はしばしば「グリーンフラッシュ」や「夜光雲」、「オーロラ」といった珍しい大気現象の舞台となります。グリーンフラッシュは、太陽が地平線に沈む直前に一瞬現れる緑色の光で、大気層での太陽光の屈折・分散により発生します。特に空気が澄み、地平線がはっきり見える場合に観測されやすい現象です。
夜光雲(NLCs)は、高度約81〜85キロメートルの高層大気に形成される氷の結晶の集まりで、夕暮れ時や明け方の薄明かりの中で太陽光を反射して明るく光る繊維状の構造として現れます。夏の間、高緯度地域で観測されることが多いです。一方、オーロラは太陽風の荷電粒子が地球の磁場に引き寄せられ、極域上層大気に衝突することで発生する光の現象です。2025年6月1日には、太陽からの大規模な荷電粒子放出(CME)が観測され、ドイツを含む中緯度地域でもオーロラが出現する可能性が高まりました。実際に、6月2日から3日にかけて、夜光雲とオーロラが同時に観測されたという報告もあり、これは非常に珍しい現象です。これらの現象は、太陽活動と地球大気との複雑な相互作用を示しています。