ロシア科学アカデミー宇宙研究所(IKI)の太陽活動研究所は、2025年8月25日午前8時24分(モスクワ時間)に、2025年6月20日以降で最大の太陽フレアを観測したと発表しました。このフレアはM4.6クラスで、現在の5段階分類では第4カテゴリーに相当します。太陽円盤の可視面に複数の大きな活動領域が出現し、太陽活動が増加している中で発生しましたが、科学者たちは地球へのリスクはないと指摘しています。
これ以前の2025年6月20日午前2時50分(モスクワ時間)には、活動領域番号4114でX1.9クラスのフレアが記録されました。これは今年3番目に強力なフレアでしたが、地球への影響は最小限でした。太陽フレアは地磁気嵐を引き起こし、衛星や無線通信に影響を与える可能性がありますが、今回のフレアに関しては、地球への深刻な影響は予測されていません。
太陽活動は11年周期で変動しており、現在、極大期に向かっています。2025年は太陽活動が活発な時期であり、XクラスやMクラスのフレアが頻繁に観測されています。例えば、2025年6月19日には活動領域4114からX1.9クラスのフレアが発生し、太平洋地域で短波無線通信のブラックアウトを引き起こしました。また、2025年8月には活動領域4168からM4.4クラスのフレアが発生し、一時的な無線通信の障害を引き起こしましたが、地球への直接的な影響は限定的でした。
太陽フレアやコロナ質量放出(CME)は、地球の磁気圏に影響を与え、オーロラを発生させたり、衛星通信やGPSシステムに干渉したりする可能性があります。過去には、1989年の太陽嵐がカナダのケベック州で大規模な停電を引き起こした事例もあります。しかし、今回のM4.6クラスのフレアは、地球に直接的な脅威をもたらすものではないとされています。
太陽物理学の研究は、太陽の活動を理解し、地球への影響を予測するために不可欠です。この分野の進展を議論するため、2025年10月13日から17日まで、第29回全ロシア太陽物理学年次会議「太陽と太陽地球物理学–2025」が開催される予定です。この会議には、国内外の科学者が集まり、太陽物理学の現在の問題について議論します。