2025年のペルセイド隕石群は、8月12日から13日の夜にかけてピークを迎えます。理想的な条件下では1時間に最大100個の流星が観測できるとされていますが、今年は満月に近い月明かりが観測の妨げとなる見込みです。月は約83%照らされており、この明るさが多くの弱い流星を見えにくくするでしょう。国立天文台によると、2025年のピークは8月13日5時頃と予想されていますが、この時間帯は日本の多くの地域で薄明が始まっているか、すでに日の出後であるため、観測に適した時間帯は12日深夜から13日未明にかけてとなります。空の暗い場所では1時間あたり30個程度の流星が期待できるものの、月明かりの影響で、通常期待される数(暗い空の下では1時間に50~75個)の約25%、つまり1時間に10~20個程度になる可能性が指摘されています。
しかし、この月明かりの中でも、特に明るい流星、すなわち「火球」は依然として観測できる可能性があります。観測の際は、できるだけ暗い場所を選び、空を広く見渡すことが推奨されます。月明かりの影響を軽減するため、月を背にするか、建物の影などを利用して月を遮ると良いでしょう。観測に最適な時間帯は、夜明け前の早朝とされています。この時期、東の空では金星と木星の接近も見られるため、合わせて楽しむことができます。写真撮影を考えている場合は、マニュアル設定が可能なカメラ、安定した三脚、広角レンズ、リモートシャッターまたはタイマーの使用が推奨されています。NASAは、ピントを手動で無限遠に合わせ、露出時間を「500ルール」などを参考に調整することを勧めています。月明かりを前景を照らす光として利用する撮影方法も提案されています。困難な状況ではありますが、ペルセイド隕石群は毎年多くの人々を魅了する天体ショーです。適切な準備と忍耐をもって臨めば、月明かりの下でもこの壮大な宇宙の光景を楽しむことができるでしょう。東京近郊では二子玉川や砧公園などが比較的街明かりの影響が少ない場所として挙げられますが、より良い観測のためには、さらに郊外の暗い場所への移動が望ましいです。