2026年8月12日、カタルーニャ地方は120年以上ぶりとなる皆既日食という、またとない天体現象を目撃します。タラゴナやテレ・デ・レブレといった南部地域では、月が太陽を完全に覆い隠す様子を最大1分32秒間観測できる場所もあります。特にロケテスなどの自治体で、この神秘的な光景を体験できるでしょう。
この歴史的な天文現象を安全かつ円滑に観測するため、カタルーニャ政府は省庁横断委員会を設置しました。13の部署から構成されるこの委員会は、サルバドール・イラ大統領が議長を務め、ヌリア・モンセラット研究・大学大臣が副議長を務めます。委員会は地域計画、交通、安全、公衆衛生、教育、観光、科学普及など多岐にわたる活動を行います。この取り組みの一環として、最適な観測地点を特定するための「影図」と呼ばれる可視化マップが作成され、今後数ヶ月以内に公開される予定です。カタルーニャ宇宙研究所(IEEC)も技術的・科学的な支援を提供しており、イグナシ・リバス所長は、この日食がカタルーニャにおける研究と科学普及のための特別な機会であると強調しています。エブレ天文台は、皆既日食の経路内に位置する唯一の天文台として、知識の創出と伝達において重要な役割を果たします。市民に対しては、安全な観測のために認定された太陽フィルターの使用が強く推奨されており、自家製の危険な方法を避け、適切な保護具を使用することが不可欠です。皆既日食の経路となる地域への人々の移動が予想されるため、事前の旅行計画が重要となります。