「共食いCME」がもたらしたオーロラ、欧米各地で観測

編集者: Uliana S.

2025年9月1日、地球は「共食いCME」と呼ばれる強力な太陽嵐に見舞われ、欧州や北米各地で鮮やかなオーロラが観測されました。この現象は、太陽黒点4204から放出されたM2.7クラスの太陽フレアに端を発しています。太陽フレアは、太陽活動が活発な時期に発生する爆発現象であり、大量のプラズマやエネルギーを宇宙空間に放出します。今回のCME(コロナ質量放出)は、2つの太陽風の塊が衝突・合体して形成されたもので、その結果、より複雑で強力な太陽嵐となりました。

この太陽嵐は、地球の磁気圏に到達し、地磁気嵐を引き起こしました。観測された地磁気嵐のレベルはG2(中程度)でしたが、ピーク時にはG3(強い)に達する可能性も示唆されていました。太陽風の速度は毎秒670kmを超え、惑星間磁場も20~26ナノテスラに強化されましたが、磁場の南北方向の向き(Bz)が主に北向きであったため、地磁気嵐の全体的な強度は限定的でした。

それでも、この現象は多くの地域で美しいオーロラ現象を引き起こしました。スコットランドのステボ・ハウエルズ氏、「空がピンクと緑に染まった」と驚きを語り、イングランドのノーサンバーランド州ではジュリー・ウィン氏が「素晴らしい光景」を目撃しました。フランスのピュイ・ド・ドームではアレクシス・リナント氏が観測しましたが、「始まりは良かったのに残念だ」とコメントしています。カナダのオンタリオ州グランド・ベンドではジェイミー氏が、アメリカのウェストバージニア州ではグレッグ・ゲイジ氏がオーロラを観測しました。ノースダコタ州ではアレックス・レセル氏が「タワーシティの北東に弱いオーロラが見える」と報告し、イゴール・アルカディエフ氏は「期待されたCMEはBzがほとんど北向きで期待外れだったが、早い時間の短い光景は楽しめた」と述べています。

オーロラ撮影においては、カメラの設定が重要となります。一般的に、マニュアルモード(Mモード)を使用し、シャッタースピードは10~25秒、ISO感度は800~6400、絞りはf/2.8程度に設定することが推奨されています。広角レンズの使用や、三脚によるカメラの固定も、鮮明なオーロラ写真を捉えるための重要な要素です。太陽活動の活発化は、オーロラだけでなく、衛星通信やGPSシステム、電力網など、現代社会のインフラにも影響を与える可能性があるため、今後の宇宙天気予報にも注目が集まります。

ソース元

  • Space.com

  • Live Science

  • Time and Date

  • Space.com

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