マサチューセッツ総合病院とブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究チームは、COSMOSプロジェクトの一環として、高齢者が日常的にココア抽出物のサプリメントを摂取することで、体内の炎症マーカーが減少する可能性を示唆する最新の研究結果を発表しました。この研究では、1日あたり500mgのココアフラバノールを2年間にわたり摂取した結果、心臓病や脳卒中のリスク増加と関連するマーカーである高感度CRP（hsCRP）の値が年間約8%減少しました。さらに、プラセボ群と比較して、ココア抽出物を摂取した参加者は、免疫システムにおいて重要な役割を果たすタンパク質であるインターフェロンガンマの値が年間約7%増加しました。これらの結果は、ココア抽出物の摂取が心血管疾患による死亡率を27%減少させることを示したCOSMOS研究の以前のデータと一致しています。
この研究結果は、学術誌「Age and Ageing」に掲載されましたが、研究者たちはこれらの結果を確定し、ココア抽出物が体内の炎症プロセスにどのように影響するかについてのメカニズムをさらに深く理解するためには、さらなる研究が必要であると強調しています。ココアフラバノールが持つ潜在的な健康効果は、個人の全体的な食事やライフスタイルによって異なる場合があるため、サプリメントの摂取を開始する前に医師に相談することが推奨されます。
ココアに含まれるカカオポリフェノール、特にフラバノールは、その強力な抗酸化作用と抗炎症作用により、生活習慣病の予防に役立つと期待されています。エピカテキンなどのポリフェノールの一種は、老化の原因となる活性酸素を減らし、細胞や血管の健康維持に貢献します。また、ココアの摂取は、血圧の調整や心血管疾患のリスク低減にも関連付けられており、フラボノイドが血管を拡張し、血管の健康を改善する可能性が示唆されています。さらに、ココアは脳血流を促進し、認知機能の向上に寄与する可能性も研究されています。
最近の研究では、ココアフラバノールがストレスや高脂肪食による血管への悪影響を緩和する可能性も示されています。 バーミンガム大学の研究では、高フラバノールココアの摂取が、ストレス下での血管機能の低下を防ぐのに効果的であることが明らかになりました。