2025年8月、シチリア島のヴィラ・ロマーナ・デル・カサーレで、古代ローマ時代のサンダルを描いたモザイクが発見されました。この発見は、ユネスコ世界遺産にも登録されているこの歴史的建造物の芸術的遺産に新たな一面を加えるものです。
ヴィラ・ロマーナ・デル・カサーレはピアッツァ・アルメリーナ近郊に位置し、その広大なモザイク群で知られています。4世紀後半に建設されたこの邸宅は、当時の生活様式や芸術的洗練度を示す貴重な資料であり、帝国高官や皇族が利用した可能性もある宮殿のような性格を持っていたと推測されています。今回発見されたサンダルを描いたモザイクは、4世紀の南浴場エリアで見つかりました。このパネルは幾何学模様や碑文に隣接しており、現代のフリップフロップに似たデザインは、当時の履物や日常生活、芸術表現の多様性についての理解を深める手がかりとなります。
この発見は、ArchLabs国際サマースクールの第4回活動の一環として、イザベラ・バルディーニ教授の指導のもと、11カ国から40名以上の学生や研究者が参加した発掘調査中に成し遂げられました。このプロジェクトは、モルガンティーナとヴィラ・ロマーナ・デル・カサーレの考古公園、ボローニャ大学、国立研究評議会(CNR)の協力によって実現しており、長年の研究にもかかわらず、この遺跡が依然として驚きに満ちていることを示しています。
今後数ヶ月間は、発掘された資料の分析と3Dドキュメンテーションシステムへの統合が進められます。また、遺跡の保存状態を向上させつつ、観光客や研究者への公開を促進するための取り組みも行われています。発見されたサンダルモザイクを含む各作品は、クリーニングと修復を経て、最終的に展示される予定です。