トーレス・デル・パイネ国立公園の猛吹雪、国際的なトレッカー5名の命を奪う

2025年11月17日月曜日、チリ南部パタゴニア地方に位置するトーレス・デル・パイネ国立公園において、極めて深刻なブリザードが発生し、国際的なトレッカー5名の死亡が確認された。この悲劇的な事態は、同地域における予測不能な気象条件の厳しさと、遠隔地での緊急事態対応の課題を改めて浮き彫りにした。死亡したのはメキシコ人2名、ドイツ人2名、英国人1名であると当局は発表した。

犠牲者一行は、ロスペロス・キャンプ付近で進路を見失ったとみられている。現場では、最大風速が時速193キロメートル（時速120マイル）に達したと記録されるほどの猛烈な気象に見舞われた。このような極端な状況下では視界の悪化が深刻化し、登山者が現在地を見失い遭難に至るリスクが著しく高まる。トーレス・デル・パイネ国立公園は、その壮麗な景観で世界的に知られているが、同時にその天候の厳しさから、特に冬期（6月から8月）はアウトドア活動には不向きとされる。

発生当初、悪天候が継続したため救助活動は著しく困難を極めた。当初、航空支援は天候不良により地上待機を余儀なくされ、救助隊は徒歩で現場へ向かうことを強いられた。このような状況は、救助の遅れが直接的に被害を拡大させる可能性を示唆している。パタゴニア地方の天候は急速に変化する傾向があり、アウトドア専門家は適切な準備と意識が安全な探検には不可欠であると指摘している。

この種の自然災害は、登山やトレッキングに内在する固有のリスクを強調する。雨天時の登山では、濡れや冷えによる低体温症、視界不良による事故や遭難のリスクが晴天時と比較して高まる。トーレス・デル・パイネ国立公園は、春（9月から11月）や夏（12月から2月）の比較的穏やかな時期の訪問が推奨されるが、それでも天候の急変には常に警戒が必要である。今回の2025年11月17日の出来事は、南米最果ての地における自然の力を再認識させるものであり、今後の安全対策の強化が求められる。