2025年8月22日、フィリピン東方沖で発生した熱帯低気圧「イサン」は、国内の航空便に大きな混乱をもたらしました。フィリピン民間航空局（CAAP）によると、国内線・国際線合わせて9便が欠航し、1,000人以上の乗客に影響が出ています。
「イサン」は同日、オーロラ州カシグランに上陸し、ルソン島全域にモンスーンの雨を強め、強風をもたらしました。フィリピン大気地球物理天文管理局（PAGASA）は、ルソン島内の複数の州にシグナルNo.1を発令し、警戒を呼びかけています。
モンスーンの活発化により、広範囲で洪水が発生し、交通インフラや住宅地に影響が出ています。一部の都市や州では、被災地域への迅速な救援活動のため、非常事態が宣言されました。
過去の事例では、遠く離れた熱帯低気圧がモンスーンを増強し、直接上陸しなくても激しい雨や洪水を発生させることがあります。例えば、2024年7月の台風「ゲーミ」は、フィリピン本土から離れていましたが、モンスーンを著しく強化し、ケソン市では24時間で1ヶ月分の降雨量を記録し、甚大な被害をもたらしました。
「イサン」の影響下で、関係当局は安全確保と迅速な救援活動に努めており、旅行者や住民は最新の気象情報に注意することが求められています。