8月7日、南カリフォルニアのピル湖付近で発生したキャニオン火災は、約5,370エーカーを焼き尽くし、ロサンゼルス郡とベンチュラ郡の数千人の住民に避難命令が出されました。火災は乾燥した植生と強風により急速に拡大し、気温38度、低湿度という厳しい状況下で消火活動は困難を極めました。ロサンゼルス郡では約2,700人の住民と700棟の建物が避難命令下に置かれ、14,000人が避難準備を求められました。ベンチュラ郡ではピル湖レクリエーションエリアの56人が避難しました。
400人以上の消防士が航空支援を受けながら消火活動にあたり、連邦緊急事態管理庁（FEMA）は火災鎮圧に必要な資源を確保するため、火災管理支援助成金（FMAG）を提供しました。この助成金は、州および地方自治体の消火費用の一部を75％まで払い戻すものです。火災原因は調査中ですが、カリフォルニア州は近年、気候変動の影響による大規模山火事の増加に直面しており、2025年には州全体で5,120件以上の山火事が発生し、31人の死者と16,000棟以上の建物が焼失しました。州は「ワイルドファイア・アンド・フォレスト・レジリエンス・アクション・プラン」を策定し、森林管理の強化やコミュニティの防火対策向上に取り組んでいます。8月8日午後には避難命令が避難警告に引き下げられ、その後すべての避難命令と警告が解除されました。火災は28％鎮火し、この火災は地域社会の回復力と自然災害への備えの重要性を改めて浮き彫りにしました。