カテゴリー4の勢力を誇るハリケーン・キコが太平洋を西に進んでおり、ハワイ諸島への接近が懸念されています。これを受け、ハワイ州副知事は2025年9月5日、州全域に非常事態宣言を発令しました。この宣言により、州兵の動員を含む緊急対応資源が迅速に展開され、必要な場合の法的手続きの停止も可能となります。
国立ハリケーンセンター(NHC)によると、ハリケーン・キコは9月5日時点でハワイ諸島から約1,930キロメートル南東に位置しており、最大風速は時速145マイル(約233キロメートル)に達しています。当初はカテゴリー4の勢力でしたが、週末にかけて海水温の低い海域を通過することや、上空の風の影響により、勢力を弱め、熱帯低気圧に変わる可能性も指摘されています。しかし、その進路によっては、週末にかけてハワイ諸島に危険な波浪や離岸流をもたらす可能性も否定できません。
ハワイ州政府は、住民に対し、公式発表される最新情報に注意を払い、避難準備などの指示に従うよう呼びかけています。非常事態宣言は、住民の安全確保と被害軽減を目的としており、迅速な避難命令の発出や緊急物資の配布などを可能にするための法的枠組みです。これにより、州政府は予算を柔軟に活用し、連邦緊急事態管理庁(FEMA)への支援要請も行うことができます。
ハワイのハリケーンシーズンは例年6月から11月にかけてですが、特に8月から9月は接近しやすい時期とされています。過去の事例では、ハリケーンがハワイ諸島に直接上陸することは稀ですが、接近した場合でも強風、大雨、高波などの影響を受ける可能性があります。住民や旅行者は、常に最新の気象情報を確認し、万が一に備えて緊急物資を準備するなど、冷静かつ適切な対応をとることが求められます。特に沿岸部では、高波や離岸流に十分な注意が必要です。