ヨーロッパで最も活発な火山であるエトナ山は、現在も噴火活動を続けており、南東火口では流動的な噴火とストロンボリ式噴火が観測されています。流動的な噴火は溶岩流を生成し、標高約3,200メートルの火口から南西方向へ進んでいます。さらに、標高3,100メートルの火口からも流動的な噴火が観測されており、溶岩流の先端は標高3,050メートルに達しています。標高2,980メートルの別の火口からは、溶岩流の先端が約2,500メートルに達しています。南東火口ではストロンボリ式噴火も続いており、火砕物が火口縁を超えて放出されています。
地震活動の監視によると、過去24時間で火山性微動の平均振幅は高いレベルで推移しており、大きな変動が見られます。この微動の震源は、海抜約3,000メートルの南東火口直下に位置していると推定されています。
エトナ山の噴火活動は、その歴史を通じて、しばしば溶岩流や火山灰の放出を伴ってきました。特に2021年には、わずか3週間で11回の噴火が発生し、火山灰雲は10キロメートル上空に達し、シチリアの空港を閉鎖する事態となりました。また、2022年2月には2回の噴火があり、特に2月11日の噴火では、南東火口からの溶岩噴流が約1,000メートルの高さに達し、遠くまで火砕物が投げられました。
エトナ山は、その活発な活動にもかかわらず、肥沃な火山灰土壌がブドウ畑や果樹園を支え、地域の農業に貢献しています。ユネスコ世界遺産にも登録されており、その壮大な自然景観は多くの人々を魅了し続けています。しかし、その活動の激しさから、2001年には空港が閉鎖され、非常事態宣言が発令されるなど、地域住民やインフラへの影響も少なくありません。現在も続く噴火活動は、自然の力の偉大さと、それに共存する人々の営みを示しています。