2025年8月25日、アリゾナ州フェニックス都市圏は、巨大な砂嵐「ハブーブ」に見舞われ、視界がほぼゼロになる事態が発生しました。この気象現象により、6万人以上の住民に影響を与える大規模な停電が発生し、地域社会に大きな混乱をもたらしました。
フェニックス・スカイハーバー国際空港では、砂嵐の影響で滑走路への影響、屋根からの雨漏り、多数のフライト遅延が発生しました。空港当局は安全確保のため、一時的に航空機の離着陸を停止する地上管制を実施しました。国立気象局は、砂嵐と激しい雷雨に対する警報を発令し、ドライバーに対し、速度を落とし、安全な場所に避難するよう呼びかけました。特に州間高速道路I-10やI-17では、視界が著しく低下し、道路の冠水も報告されたため、注意深い運転が求められました。
この砂嵐はフェニックスとその周辺地域に広範囲に影響を及ぼし、多くの地域で停電が発生しました。電力供給会社によると、停電の影響を受けた顧客数はピーク時に6万人を超え、その大部分はマリコパ郡に集中していました。砂嵐の通過後も、一部地域では電力復旧に時間を要しました。
専門家は、このような砂嵐の頻度と激しさの増加を地球規模の気候変動と関連付けています。気候変動により、大気中の水蒸気量が増加し、モンスーン期の嵐がより大規模で激しくなる傾向があると指摘されています。過去の事例では、2011年7月5日にもフェニックスを大規模なハブーブが襲い、大きな混乱を引き起こしました。今回の砂嵐も、地域に大きな爪痕を残し、自然の力の偉大さと気候変動への適応の重要性を改めて浮き彫りにしています。