アラスカ州ジュノー近郊のメンデンホール氷河にある「スーサイド・ベースン」と呼ばれる氷河湖で、氷のダムが決壊し、水が流出し始めました。この氷河湖決壊洪水（jökulhlaup）により、メンデンホール川沿いの地域で深刻な洪水が発生すると予想されています。国立気象局（NWS）によると、水曜日の8月13日には水位がピークに達すると見込まれており、脆弱な地域に住む住民には予防的な避難が呼びかけられています。今年の洪水は過去の記録を更新する可能性があり、水位は16.3フィートから16.8フィート（約4.9メートルから5.1メートル）に達すると予測されています。これは、2023年と2024年の記録的な洪水よりも高い数値です。
この現象は2011年以降、ジュノーにとって年次の懸念事項となっており、過去の洪水では相当な財産被害が発生しています。特に2023年と2024年8月には記録的な洪水が発生し、約300戸の家屋に影響が出ました。2024年の洪水では、川の流れの速さがナイアガラの滝の半分に達したと推定されています。現在の脅威に対応するため、川岸沿いには約4キロメートルにわたり、最大5.5メートルの水位に対応できる10,000個のHescoバリア（土や砂で満たされた布製の袋を金属フレームで補強した一時的な堤防システム）が設置されました。科学者たちは、ドローン映像やGPSデータを用いた調査を継続し、氷河湖決壊洪水の予測モデル開発を進めています。メンデンホール氷河が氷のダムとして機能し続ける限り、このような洪水は今後25年から60年続く可能性があると予測されています。