メキシコ、ドゥランゴ州のレルド市は、環境保護と緑化推進に向けた大規模な取り組みを精力的に展開しています。市の環境・生態局が主導するこれらの活動は、教育機関や地域住民の積極的な参加を得て、地域全体の持続可能な発展を目指しています。
2025年6月5日の世界環境デーには、都市部と農村部の両方で大規模な植林活動が開始されました。リカルド・フローレス・マゴン中学校とラサロ・カルデナス小学校の生徒、教職員、関係者が新たな苗木の育成と保護に尽力することを誓いました。この日は、世界的にプラスチック汚染の根絶が呼びかけられる中、レルド市では地域に根差した環境保全活動が力強く幕を開けました。
さらに、同年6月17日にはレルド市の中心広場で「木を迎えよう」キャンペーンが実施されました。このイベントでは、地域住民であることを証明した150名に対し、様々な種類の苗木が配布され、参加者はこれらの木々を大切に育てることを約束しました。また、ラス・アウラス公園では、生育と生態系への統合を確実にするため、高さ4.5~5メートルの成熟したウィザッチェとメスキートの木35本が植樹されました。
7月22日には、ビジャ・デ・レオン・グスマンで植林の日が開催され、住民200名に苗木が提供され、地域生態系の保全に対する住民一人ひとりの責任が強調されました。
レルド市は、2004年から州の保護地域、そして2008年には国際的にラムサール条約登録湿地となったカニョー・デ・フェルナンデス(Cañón de Fernández)の保護措置も強化しています。この豊かな生物多様性を誇る地域では、生態系パトロールが実施され、訪問者にはその自然資源への敬意を払うよう促されています。特筆すべきは、このカニョー・デ・フェルナンデスには、1400年以上の樹齢を持つとされる古代のイトスギ(Ahuehuetl)が生息しており、その悠久の歴史と生態系の深さを物語っています。これは、この貴重な自然遺産を次世代に引き継ぐことの重要性を示唆しています。
さらに、イベルドローラ・メキシコのような企業も、2023年3月に500本のウィザッチェの木を植樹するなど、カニョー・デ・フェルナンデスでの具体的な植林活動を通じて、地域社会との連携による環境保全に貢献しています。これらの取り組みは、レルド市の環境持続可能性への献身と、自然遺産を保護する上での市民参加の不可欠な役割を浮き彫りにしています。レルド市のこれらの活動は、ドゥランゴ州全体の持続可能な開発計画とも連携し、地域社会が主体となって環境再生に取り組むことの力を示しています。