世界に認められた新しいインドネシアの蘭「パフィオペディラム・メモリア・ヤコブ・オエタマ」

インドネシア原産の新しい交配種蘭「パフィオペディラム・メモリア・ヤコブ・オエタマ」が、2025年2月18日に英国王立園芸協会（RHS）に正式に登録され、国際的な認知を得ました。この蘭は、インドネシアの蘭育種家ハディヤ・ヌル・チャヒョノ氏によって2019年から開発が開始されました。パプアとスマトラの固有種を交配させたこの蘭は、故ヤコブ・オエタマ氏のジャーナリズム活動が象徴する国家統合の精神を体現しています。

蘭の世界では、「メモリア」という接頭辞が付く名前は、影響力のある人物を称えるために一般的に付けられます。この花の存在は、単なる園芸分野での偉業であるだけでなく、ジャーナリズムを通じて人間性や国家観を育んだヤコブ・オエタマ氏の献身への敬意の証でもあります。

パフィオペディラム・メモリア・ヤコブ・オエタマは、パプア産のパフィオペディラム・プラエスタンスとスマトラ産のパフィオペディラム・ビクトリア・レジーナの交配によって生まれました。この交配は、インドネシアの東端と西端を結びつける象徴であり、ヤコブ・オエタマ氏がジャーナリズムを通じて国民を統合しようとした精神を反映しています。ハディヤ氏は、「この交配種が形だけでなく、意味も持つことを願っています。パプアの母株とスマトラの父株は、インドネシアの東西の果てを一つの花に統合するかのようです。それは、ヤコブ氏がジャーナリズム活動で国を統合しようとした精神と同じです」と述べています。

この蘭は、ボゴール植物園で鑑賞することができます。ボゴール植物園は、1817年に設立された東南アジアで最も古い植物園であり、約500種、100属以上の蘭のコレクションを誇ります。その中には、世界最大の蘭であるグラマトフィラム・スペキオサムも含まれています。

RHSへの登録は、園芸分野におけるインドネシアの貢献を浮き彫りにするとともに、ジャーナリズム界の重要な人物を称えるものです。この登録により、パフィオペディラム・メモリア・ヤコブ・オエタマは国際的なデータベースに正式に記録され、インドネシア発の交配種蘭に対する世界の認識を確固たるものにしました。この蘭の誕生は、単なる園芸的な成果にとどまらず、インドネシアの豊かな植物相への愛情を育む機会となることが期待されています。