荒野を緑に変える：都市の生物多様性を浮き彫りにする蝶の観察会

先月、100名を超える自然愛好家がニューデリーのアラバッリ生物多様性公園に集まり、蝶と昆虫の観察会に参加しました。インド野生動物写真家協会の主催で、9月を「バタフライマンス」として祝い、都市環境における昆虫の重要性についての意識を高めることを目的としています。

このイベントには、かつて荒廃していた鉱山跡地を、アラバッリの在来植生が豊かな森林へと変貌させたことで知られる著名な環境保護活動家、ヴィジャイ・ダスマーナ氏が特別ゲストとして招かれました。ダスマーナ氏は、公園の生態系の再生と、地域主導の保全の重要性について講演しました。蝶の専門家であるラムビール氏の指導のもと、参加者は約35種の蝶と10種のクモや昆虫を特定しました。特に注目すべきは、この地域で最も希少とされる果実を刺す蛾の幼虫の発見であり、公園の豊かな生物多様性を改めて示しました。

この観察会は、急速な都市化に苦しむ都市における昆虫の生態学的な重要性についての認識を高めることを目的としていました。インドの「ビッグバタフライマンス」は、毎年9月に開催される、蝶の多様性を祝う国民的な市民科学の取り組みです。この活動は2020年に首都ニューデリーで始まり、全国規模で展開されています。市民は自身の地域の蝶を観察・記録し、そのデータを共有することで、環境の健全性を評価するのに役立てています。2024年には、ビッグバタフライマンスのアプリもリリースされ、市民科学がより身近なものとなりました。

アラバッリ生物多様性公園は、692エーカーの広大な保護区であり、多様な動植物が生息しています。公園内には、100種以上の蝶や蛾を収容する保護区も設けられています。過去の調査では、2022年には公園全体で76種の蝶が確認されており、そのうちアラバッリ生物多様性公園では68種が確認され、他の生物多様性公園を上回る数でした。これは、2017年の40種、2018年の54種から増加しています。蝶は環境の変化に敏感であるため、生息地の質を示す良い指標となると科学者たちは指摘しています。

インド野生動物写真家協会は、今後もデリー首都圏全域で毎月自然観察会を開催し、鳥類、哺乳類、蝶、その他の野生生物に焦点を当てることで、人々が自然とのつながりを再認識し、保全を共有の責任として受け入れることを奨励していく予定です。この活動は、都市化が進む中でも、私たちの身近な自然の豊かさを再発見し、その保護に貢献する機会を提供しています。