2025年8月18日、オーストラリアのS&P/ASX 200指数は、堅調な企業業績を背景に8,960.9ポイントという新たな史上最高値を記録しました。広範なオルダリ指数も上昇し、9,226.8ポイントで取引を終えました。この市場の活況は、国内経済の回復力と、企業が不確実な経済環境下でも収益性を維持する能力を示しています。
コモンウェルス・バンク・オブ・オーストラリアは、貸出の増加に牽引され、過去最高の102.5億豪ドルの利益を発表しました。同銀行のマット・カミン最高経営責任者(CEO)は、堅調な労働市場と移民の流入を背景に、オーストラリア経済は回復力があると指摘しています。ナショナル・オーストラリア・バンクも第3四半期の収益が増加し、市場の楽観的な見方に貢献しました。特に金融セクターと不動産セクターでは、株価が大幅に上昇しました。しかしながら、商品価格の下落により、素材セクターとエネルギーセクターは低迷しました。オーストラリアドルは、1米ドルあたり65.15セントに上昇しました。投資家は、経済的な不確実性の中で企業業績をさらに評価するため、今後の決算発表を注視しています。
経済全体としては、インフレ圧力の緩和と、一部の金融機関による金利引き下げの動きが、消費者の信頼感を高める要因となっています。オーストラリア準備銀行(RBA)は、インフレが目標範囲内に収まるという見通しに基づき、慎重ながらも追加的な金融緩和の可能性を示唆しています。これは、経済成長をさらに下支えする可能性があります。一方で、世界的な貿易摩擦や地政学的な不確実性は、依然としてオーストラリア経済にとって下振れリスクとなっています。特に、中国経済の動向や、主要な輸出品目である鉄鉱石や石炭の価格変動は、今後の市場に影響を与える可能性があります。これらの要因を踏まえ、投資家は企業の収益報告と経済指標の両方を注意深く分析していく必要があります。