Googleは、2025年8月20日に開催された「Made by Google 2025」イベントにおいて、スマートホーム体験を刷新する新しい音声アシスタント「Gemini for Home」を発表しました。このアシスタントは、従来のGoogleアシスタントに取って代わるもので、より高度な推論能力と柔軟な対話機能を提供します。
Gemini for Homeは、自然で流暢な会話を実現するために、高度な推論能力と検索機能を備えています。「照明を調整して、温度を摂氏22度に設定して」といった複数の指示を一度に理解し実行できるほか、自然言語処理を通じて買い物リストやリマインダーの作成も容易になります。これにより、Googleアシスタントが抱えていたあいまいな指示への対応や自動化の不具合といった課題の解消が期待されます。
特筆すべき機能として「Gemini Live」が挙げられます。これにより、ウェイクワードを繰り返すことなく、継続的で自然な対話が可能になります。ユーザーはレシピや旅行計画など、幅広いトピックについてアシスタントと会話を楽しむことができます。また、メディアや情報の検索においても、ニュアンスを理解したリクエストに応え、文脈に沿った回答を提供します。
Gemini for Homeの早期アクセスプログラムは、2025年10月に開始される予定です。このアシスタントは無料版と有料版が提供され、価格詳細は後日発表されます。有料版は、Nest AwareやGoogle Oneといった既存のGoogleサブスクリプションとの統合が検討されています。なお、Gemini for Homeは2025年のCESでもスマートホーム向けにデモンストレーションが行われていました。
発表と同時に、Googleは新しい球体型スマートスピーカーも披露しました。このスピーカーはNest Wifiを彷彿とさせるデザインで、青、紫、白の「Geminiグロー」エフェクトを備えており、新しいハードウェアの登場を示唆しています。
Gemini for Homeの導入は、スマートホームアシスタント市場における競争をさらに激化させます。AmazonのAlexa Plusが既に先進的なAI機能を展開している中、Googleのこの最新の動きは、スマートホームテクノロジー分野における競争を一層加熱させると予想されます。Googleは、このGemini for Homeを通じて、スマートホームエコシステム全体をGeminiブランドの下で統合していく戦略を進めています。