タイタニック号の貴重な遺産:フレデリック・サットン氏の一等客室名簿が競売へ

編集者: alya myart

タイタニック号の一等客乗客リスト

2025年11月22日に英国で開催されるオークションで、伝説の豪華客船タイタニック号の一等客室乗客であったフレデリック・サットン氏の個人的な遺品群が競売にかけられる予定だ。このコレクションは、サットン家によって一世紀以上にわたり大切に保管されてきたものであり、1912年の悲劇的な夜の出来事と、その後の生存者たちの運命を垣間見る貴重な機会を提供する。

ファーストクラスの乗客向けメニュー

今回の競売の目玉となるのは、大西洋での沈没事故を生き延びた、現存する唯一の一等客室乗客名簿である。この文書には、水による損傷の痕跡が見られ、船内の設備に関する情報や、悪名高い「ニューヨーク上陸規定」が記されている。サットン氏はサフォーク出身の61歳で、ニュージャージー州で不動産業を成功させた人物だ。医師の勧めで1912年3月にイギリスへ渡り、帰路にタイタニック号に乗船したが、この大惨事で命を落とした。彼の遺体は海に葬られたが、遺品は救助船「マッケイ・ベネット号」によって、荷物番号46番のキャンバス製バッグに入れられ、ノバスコシア州ハリファックスに届けられた。

フレデリック・サットンのダッフルバッグ

オークションハウスHenry Aldridge & Sonのアンドリュー・オールドリッジ氏は、このアーカイブがこれまで同社で扱った中でも「最も完全なものの一つ」であり、これまで一般に公開されたことがなかった点を強調した。名簿に加えて、コレクションには、遺族に対し、亡くなった乗客の遺体を返還するための列車の一等切符代の支払いを要求する、ホワイト・スター・ライン社からの痛烈な手紙が含まれている。オールドリッジ氏は、この書簡を「極めて無神経」と評しており、前世紀初頭の価値観の違いを浮き彫りにしている。

主要な文書類と並び、サットン氏のキャンバスバッグから回収された私物も出品される。これには、金の懐中時計と鎖、ネクタイピン、ナイフ、銀のスプーン3本、イニシャル「F.S.」が刻まれた金の指輪、そして小銭が含まれている。

乗客名簿単体で、100,000ポンド、あるいは100,000米ドルを超える価格での落札が予想されている。さらに、このコレクションの第二部は、2026年4月に改めて競売にかけられる予定だ。2013年に110万ポンドで落札されたバイオリンや、昨年11月に156万ポンドで売却されたロストロン船長の時計など、過去の記録的な取引からも明らかなように、タイタニック号の歴史は今なお人々の関心を引きつけてやまない。

ソース元

  • East Anglian Daily Times

  • Henry Aldridge & Son Ltd

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