2025年10月24日、ロンドンで開催されたオークションにて、リアム・ギャラガーが2009年に破壊した赤いギブソン ES-355が、289,800ポンド（約332,280ユーロ）という高額で落札されました。この売却は、オアシスの待望の再結成と、世界ツアーの活発な展開と時期を同じくしています。ギャラガー兄弟の確執によって生じた16年間の活動休止期間が、このツアーによって正式に終結した形です。
この楽器は、バンドの最初の解散を引き起こしたあの有名な事件の「生きた証拠」として、その劇的な歴史を物語っています。問題の出来事は、2009年8月、パリで開催されたロック・アン・セーヌ・フェスティバルの舞台裏で発生しました。ノエル・ギャラガーの証言によれば、リアムが「斧のようにギターを振り回した」結果、このギターは破壊されました。その翌朝、ノエルはオアシスからの脱退を表明し、「これ以上一日たりともリアムとは一緒に働けない」と述べています。興味深いことに、このギターは2011年に修復されたにもかかわらず、今回の落札価格は、2022年の前回のオークションで記録した385,000ユーロを下回る結果となりました。
今回のオークション結果は、オアシスの遺産に対する世界的な関心が衰えていないこと、そして兄弟間の複雑な関係が、彼らの壮大な再結成によって再び注目されていることを示しています。再結成と世界ツアーは、彼らのデビューアルバム『Definitely Maybe』の30周年記念日のわずか2日前の2024年8月27日に発表されました。この再結成とツアーは、兄弟に約4億ポンドもの収益をもたらすと試算されています。2025年の世界ツアーは7月4日にカーディフで幕を開け、すでに北米を巡っています。特に、シカゴとロサンゼルスでの公演チケットは、販売開始からわずか1時間で完売するなど、驚異的な成功を収めています。
なお、同じコレクションの一部として、ノエルが「Wonderwall」のレコーディングに使用したアコースティックギター、タカミネ FP460SCも出品されていましたが、こちらは買い手を見つけることができませんでした。