7度のF1ワールドチャンピオンであるミハエル・シューマッハが所有していた2010年式ホンダCBR1000RRファイアブレードが、RMサザビーズのオークションで64,800ユーロ(約1,070万円)という記録的な価格で落札されました。当初の予想落札価格は25,000ユーロから35,000ユーロでしたが、これを大幅に上回る結果となりました。
このバイクは、シューマッハ氏のテスト走行のためにホルツァー・レーシング・パフォーマンス(HRP)によって特別にカスタマイズされました。トラクションコントロール、ウィリーコントロール、スライドコントロールを可能にする電子制御ユニット(ECU)に加え、エアボックス、オイルクーラー、ハンドルバー、クイックシフター、チタン製アクラポビッチ・エキゾーストシステムといった特別なパーツが装備されています。これらの改造は、F1チャンピオンのライディングスタイルに合わせ、最高のパフォーマンスを発揮できるように施されました。レーシングナンバー「77」を冠したこのバイクは、3,752キロメートルの走行距離で出品されました。落札者には、シューマッハ氏のサイン入りヘルメットとグローブも付属しており、コレクターズアイテムとしての価値をさらに高めています。
この落札価格は、単にバイクの性能や希少性だけでなく、ミハエル・シューマッハという伝説的な人物にまつわるアイテムへの強い需要を示しています。過去には、ケーシー・ストーナーの2007年式ドゥカティ・デスモセディチGP7が約486,000ユーロで落札されるなど、著名なレーサーの所有していたバイクが高額で取引される傾向が見られます。今回のファイアブレードの落札は、シューマッハ氏の不朽のレガシーが、二輪の世界においても依然として絶大な影響力を持っていることを証明しています。オークションでは、シューマッハ氏のサイン入りフェラーリ・カートヘルメットが8,700ユーロ、1996年のレーススーツが21,600ユーロで落札されるなど、他の記念品も好調な結果を示しました。