James Stephen Irsey
故コルツオーナー、ジム・アーセイ氏の10億ドル超のコレクションが2026年3月にクリスティーズで競売へ
編集者: alya myart
NFLインディアナポリス・コルツのオーナーを長年務め、今年5月に逝去したジム・アーセイ氏。彼の遺族は、アーセイ氏が心血を注いで集めた膨大なアーティファクト・コレクションのうち、主要な部分を市場に出すことを決定しました。このコレクションの総評価額は、10億ドル(日本円で1500億円以上)を超えると見積もられています。アーセイ氏自身が、単なる財産の蓄積ではなく「人類の創造性の保管庫」と表現していたこの類まれな収集品が、競売にかけられることで、一つの時代が幕を閉じようとしています。
Jim Irsayの娘たち: Carli Irsay-Gordon、Casey Foyt、Kalen Jackson。
国際的なオークションハウスであるクリスティーズは、この歴史的な売却イベントを2026年3月に開催する予定であると公式に発表しました。アーセイ氏は65歳でこの世を去りましたが、彼は40億ドルを超える資産を残しました。彼はその人生において、アメリカンフットボールへの情熱と、世界的な収集家としての活動という二つの柱に深くコミットしていました。なお、コルツのオーナー権は、父の死後、1997年に彼が受け継いだものです。
1974年の伝説的な戦い『The Rumble in the Jungle』のムハマド・アリのベルト。
今回の競売で、特に世界中のコレクターから熱狂的な関心を集めると期待されているのは、スポーツ史における極めて象徴的な記念品です。具体的には、1974年の伝説的な試合「キンシャサの奇跡(Rumble in the Jungle)」でモハメド・アリが着用したチャンピオンベルトや、三冠馬セクレタリアトが使用した鞍などが含まれています。生前のアーセイ氏は、このコレクション全体に対して提示された11億5000万ドルという買収提案を拒否しており、これらの品々を金銭では測れない「プライスレス」なものだと考えていたことが知られています。
ジム・アーセイ・コレクションの有名なギター
このコレクションの核を成すのは、音楽史における貴重な遺産です。一例として、カート・コバーンの代表曲「Smells Like Teen Spirit」のミュージックビデオに登場したギターがあり、アーセイ氏はこれを600万ドルで手に入れました。また、デヴィッド・ギルモアが愛用した1968年製のフェンダー・ストラトキャスターも出品されます。さらに、文学界の至宝として、ジャック・ケルアックの小説『路上』のオリジナル手稿、そしてジョージ・ワシントンやトーマス・ジェファーソンが署名した歴史的文書など、多岐にわたるアーティファクトが含まれています。
ジム・アーセイ氏の三人の娘、カーリー・アーセイ=ゴードン、ケイシー・フォイト、カレン・ジャクソンは、家族の思い出に深く関わる一部の記念品については手元に残す方針です。今回の売却によって得られた収益は、慈善活動、特にコルツ財団を通じて実施されている依存症治療プログラムの支援に充てられる予定です。競売にかけられるアーティファクトの歴史的意義と規模の大きさから、このオークションは収集界において、近年で最も注目されるイベントの一つとなることは間違いありません。
ソース元
FOX Sports
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