メキシコ・チアパス州トゥストゥラ・グティエレスのサン・ロケ教区では、2025年8月16日に毎年恒例のペットの祝福式が開催されました。この行事は、犬や病人の守護聖人である聖ロクを称える伝統的なものです。多くの人々が愛するペットを連れて教会を訪れ、司祭から祝福を受けました。
この習慣は、聖ロクが自身の病の際に忠実な犬に助けられたという伝説に由来しています。その犬はパンを運び、聖ロクの傷を舐めて回復を助けたと伝えられています。この物語は、聖ロクと動物との深い絆を示しており、彼が犬の守護聖人となった理由を物語っています。サン・ロケの祭りは、ペット愛好家にとってチアパス州で大切にされている行事であり、動物への祝福に加え、ミサ、行列、マリンバ音楽や民族舞踊などの催しも行われます。これらの活動は、聖ロクへの共同体の信仰心と動物たちへの愛情を浮き彫りにします。
聖ロクは、ヨーロッパでペストが流行した際に病人の世話に献身したことで知られています。彼の自己犠牲的な行動と、困難な時期に犬との間に育まれた絆は、今日でも多くの人々に感銘を与えています。トゥストゥラ・グティエレスでのペットの祝福式は、単なる宗教的な儀式にとどまらず、地域社会が一体となり、生活を豊かにしてくれる動物たちへの感謝と尊敬を祝う喜びにあふれた機会となっています。この祭りは、地域社会の結束を強め、世代を超えて受け継がれる文化的な遺産を称える場でもあり、チアパス州の豊かな文化遺産と人間と動物との普遍的なつながりを象徴しています。