ブルガリアは、2026年1月1日より欧州単一通貨ユーロを導入することを正式に決定しました。この決定は、EU理事会（閣僚理事会）が欧州委員会の報告を受け、ブルガリアがユーロ導入基準を満たしたと承認したことによります。通貨の換算レートは、1ユーロ＝1.95583レフとなります。
ユーロ導入に向けた準備として、2025年8月以降、レフとユーロによる二重価格表示が開始され、2026年末まで継続されます。政府は、不当な価格引き上げに対する厳格な措置、罰則強化、消費者保護委員会の監督権限拡大を含む「ユーロ導入に関する法律」の改正案を提出しました。特に食料品、燃料、医薬品などの分野で価格設定が綿密に分析されており、150以上の小売店が監視下に置かれています。全国165の市町村では、事業者や地方自治体を対象とした情報キャンペーンが展開されており、1,000万レヴァの予算が割り当てられています。
ブルガリアは1999年以来、ブルガリア・レフをユーロに固定する通貨ボード制度を採用しており、ユーロ導入は既存の為替レートの安定性を公式に承認するものです。経済的な恩恵として、資本流入の増加、貿易の活性化、取引コストの削減、価格比較の容易化による競争促進などが期待されています。特に、外国貿易における為替換算コストの回避により、年間10億レヴァ以上の節約が見込まれています。一部ではインフレへの懸念も表明されていますが、政府は透明性の高い情報提供に努め、円滑な移行を目指しています。