UBSグループは2026年2月4日に発表した2025会計年度決算において、アナリスト予想を上回る力強い業績を示し、純利益は前年比53%増の78億ドルに達したと報告した。この顕著な成長は、主にアジア、中東、スイス地域からの資産運用部門への新規資金流入によって牽引された。しかし、米国の市場においては、金融アドバイザーの離脱に伴う資産流出という課題に直面している。最高経営責任者(CEO)のセルジオ・エルモッティ氏は、統合の最終段階における進捗と将来の成長に対する自信を表明した。
同行は、クレディ・スイス(CS)の統合が計画通りに進行している点を強調した。2025年末時点で、当初目標としていた130億ドルのコストシナジーのうち、既に77%に相当する100億ドルを達成した。これを受け、コスト削減目標を当初の130億ドルから135億ドルへと上方修正し、2026年末までに残りの相乗効果の実現を目指す意向を示した。スイス国内の顧客口座の約85%がUBSのプラットフォームへ移行済みであり、個人・法人バンキングおよび資産運用の統合は概ね完了したと報告されている。
財務指標は同行の強固な資本基盤を裏付けている。2025年末時点の普通株式等Tier1(CET1)比率は14.4%を維持し、運用資産総額は7兆ドルを突破した。これは、UBSが世界最大のウェルスマネジメント機関としての地位を確固たるものにしたことを示唆している。株主還元策として、2025年度の普通一株当たり配当を22%増額するとともに、2026年には30億ドルの自社株買いを計画している。
一方で、米国のウェルスマネジメント部門では、報酬体系の見直しを契機とした約200名のアドバイザーの離脱とそれに伴う資産流出が響き、第4四半期には141億ドル超の純流出を記録した。最高財務責任者(CFO)のトッド・タックナー氏は、この米国の動向を「過渡期的な問題」と認識しつつも、2026年上半期までは純新規資金流入において逆風が続くと予測している。しかし、2026年通年ではプラスの流れに戻る見通しを示し、リクルート活動の強化が下半期に効果を発揮することに期待を寄せている。
UBSは、2028年までにCET1資本に対する報告ベースの利益率を約18%、グループのコスト・インカム・レシオを約67%に設定するなど、野心的な長期目標を再確認した。これは、クレディ・スイス買収以前の業績を超える効率性と収益性を目指す姿勢の表れである。ただし、これらの資本還元計画の拡大については、スイス連邦議会が提案する銀行規制改革の最終的な内容が明らかになるまで不透明感が残る。特に、海外での損失から国内事業を隔離することを義務付ける可能性のある新たな資本要件が、UBSの事業モデルに与える影響について、同行は規制強化案に対してロビー活動を展開している。
さらに、2025年最終四半期には、SIXスイス証券取引所およびWorldlineへの投資に関連して4300万スイスフランの損失を計上したが、これは統合の複雑なプロセスの中で発生した一時的な要因と見なされている。UBSは、2026年3月末までに全CS顧客のプラットフォーム移行を完了させ、2026年末までの完全統合を目指し、構造改革を継続する方針である。