2024年5月10日、ニューヨークの国連本部で開催された国連総会の緊急特別会合において、パレスチナの国連加盟を支持する決議案が採択されました。
この決議案は、国連安全保障理事会に対し、パレスチナの加盟申請を再検討するよう求めるもので、総会での採決の結果、143カ国が賛成し、9カ国が反対、25カ国が棄権しました。
パレスチナは2012年から国連で「オブザーバー国家」としての地位を持っていますが、正式な加盟国となるには安全保障理事会の勧告が必要です。2024年4月、アメリカが拒否権を行使したため、パレスチナの加盟申請は否決されていました。
今回の決議案の採択により、パレスチナは総会での発言権や提案権など、加盟国に近い権利を得ることとなりました。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、決議案の採択を歓迎し、国連への正式加盟に向けた努力を継続する意向を示しました。
一方、イスラエルのカッツ外相は、今回の決議案を「不条理な決定」として非難しました。
この決議案の採択は、パレスチナの国連加盟に向けた国際社会の支持を示すものであり、今後の中東和平プロセスにおける重要な一歩と位置付けられています。