2025年7月29日、オーストラリアのギルモア・スペース・テクノロジーズ社は、クイーンズランド州のボーエン宇宙港から自国初のエリス号ロケットを打ち上げました。これは、オーストラリアが半世紀以上ぶりに行った軌道打ち上げの試みであり、同国の宇宙開発における重要な一歩とされています。
エリス号は、ギルモア社が独自に開発したハイブリッド推進システムを搭載した23メートルのロケットで、低軌道への小型衛星の打ち上げを目的としています。打ち上げは成功し、ロケットは発射台を離陸しましたが、約14秒後に予期せぬ問題が発生し、飛行が終了しました。幸い、打ち上げ施設や周辺地域への被害は報告されていません。
ギルモア社のCEOであるアダム・ギルモア氏は、「打ち上げが成功したことに満足しており、これは新しいロケットプログラムにとって大きな前進です」とコメントしています。今回の打ち上げは、オーストラリアが自国で開発したロケットを用いて軌道到達を目指す初の試みであり、同国の宇宙産業の発展に向けた重要なステップと位置付けられています。
ギルモア社は、エリス号の次回打ち上げに向けて、得られたデータを分析し、技術の向上に努めるとともに、将来的な商業宇宙産業の発展に向けた取り組みを続けていくとしています。