2026年投入予定の第12世代iPad、iPhone 17世代のA19プロセッサとN1無線チップを統合へ

2025年にMacWorldが報じた内部Apple文書へのアクセスに基づき、2026年に市場投入が計画されている第12世代iPadのロードマップが示唆されている。この次世代ラインナップは、現在開発コードネームJ581およびJ582の下で進行中の2モデルで構成されると伝えられている。この情報は、iOS 26の内部ビルドから得られたものであり、Appleがエントリーレベルのデバイスにもフラッグシップレベルの技術を統合する方針を強化していることを裏付けている。

ベースモデルとなる第12世代iPadは、プロセッサに関して大幅な進化を遂げる見込みだ。現行の第11世代iPad（2025年発売）がA16チップを搭載しているのに対し、新型タブレットにはiPhone 17ラインに採用されているA19プロセッサが搭載される予定である。A19チップは、TSMCの第3世代3ナノメートルプロセスであるTSMC N3Pで製造され、A16チップと比較して約50パーセントの性能向上がAppleによって主張されている。このA19プロセッサへのアップグレードは、Apple Intelligence機能のサポートを可能にするための重要な基盤となる。

これらの高度な機能は、2025年モデルが搭載する6GBのRAMでは不十分であり、新型iPadでは最低8GBのRAMが要求されるとされている。A19チップは、その高い処理能力により、より複雑なオンデバイスAIタスクを処理し、ユーザーエクスペリエンスの向上を目的としている。

プロセッサの刷新に加え、デバイスにはAppleがiPhone 17シリーズで初めて導入したApple N1チップが組み込まれると予想されている。このN1コンポーネントは、Wi-Fi 7とBluetooth 6のサポートに加え、スマートホーム機器とのシームレスな接続を可能にするThreadにも対応する。従来のソリューション、おそらくBroadcom製であったものを置き換えるこのN1統合により、AirDropやパーソナルホットスポットといった機能のパフォーマンスと信頼性が向上すると見込まれている。

一方で、その他の主要な技術仕様については、現行レベルが維持される可能性が高い。具体的には、10.9インチのIPS LCD Liquid Retinaディスプレイが継続採用され、フルラミネーション層やProMotion技術を伴わない標準的な60Hzのリフレッシュレートが維持される見込みだ。このディスプレイ構成は、エントリーモデルとしての位置づけを維持しつつ、コスト効率を重視した設計思想を反映している。

第12世代iPadの市場投入時期は、2026年の秋、具体的には9月または10月が有力視されている。この時期は、例年Appleが新しいiPadラインナップを発表するタイミングと一致しており、iPhone 17世代のチップセットを搭載することで、iPadシリーズ全体が最新の処理能力とAI機能に対応する流れを確立する。この戦略は、最も手頃な価格帯のiPadを「AI対応の最安モデル」として位置づけ、広範なユーザー層への普及を狙うものである。