Waze、Android Auto接続中のスマートフォン操作を2025年11月に正式展開

Google傘下のナビゲーションアプリWazeは、2025年11月をもって、Android Auto接続中にスマートフォン側からナビゲーションの目的地検索や設定を可能にする機能を広範に展開した。この機能追加により、長らくユーザーの利便性を制約していた運用上の課題が解消され、ナビゲーション操作性が向上する。

従来、Android AutoでWazeが稼働している間、モバイルアプリは案内情報のみを表示する状態に固定され、ユーザーは車載ディスプレイ上での操作を強いられていた。新機能の導入により、ユーザーはスマートフォン上のWazeアプリで、住所の検索や場所の指定、旅程の管理を自由に行えるようになり、その設定が即座に車両のインフォテインメントスクリーンに反映される。この機能平準化は、Wazeが主要な競合であるGoogle Mapsが2023年に既に提供していた機能と同等性を達成したことを意味する。

この変更は、特にタッチスクリーン非搭載の車両や、同乗者がルート管理を行う場合に、ドライバーの負担を軽減する上で重要である。音声コマンドによる目的地設定は可能であったものの、複雑な検索やリストからの選択においては、スマートフォンでの直接操作がより直感的であると認識されていた。Wazeは2013年のGoogleによる買収以来、独自のコミュニティベースの強みを維持してきたが、基本的な操作性においては後れを取る状況が続いていた。

機能の平準化が進む一方で、WazeはGoogle Mapsのエコシステム内での統合において遅れが見られる側面もある。例えば、Google Mapsが2025年のアップデートで音声アシストの精度向上やオフラインマップの拡張、災害時のリアルタイム通知強化を実施しているのに対し、WazeがAndroid 16のライブアップデートやGemini AIの統合といった最新のプラットフォーム連携に追随しているかについては、現時点で明確な情報はない。

Wazeの核となる強みは、その活発なコミュニティ主導の報告システムにある。このシステムは、他のWazeユーザーからのリアルタイムな情報共有に基づき、事故、速度超過検知カメラ、警察の配置といった詳細な道路上のハザードを通知する能力に優れており、この専門的な焦点がGoogle Mapsのより広範なサービス提供アプローチと一線を画している。機能が展開されていないユーザーに対しては、Google PlayストアからのWazeアプリの最新バージョンへの更新が推奨されている。

Android Autoは、スマートフォンを車載ディスプレイに接続することで、音楽やナビゲーションを安全に操作可能にするプラットフォームであり、2025年現在、500以上の車種が対応している。Wazeは自動車専用に設計され、公共交通機関や自転車のナビゲーション機能は提供しないが、そのリアルタイムな交通情報と音声コマンドの連携は、都市部の交通量の多い地域で有効であると評価されている。今回のアップデートは、接続された自動車環境における基本的なナビ入力方法に関して、Google Mapsとの差を埋める一歩となった。