ジャガー、90周年をロンドンで記念：SSモデルとType 00コンセプトを対比

2025年12月8日、英国ジャガーは、その90年にわたるデザインの歴史を記念する行事をロンドンのザ・チャンセリー・ローズウッド・ホテルで開催した。この催しでは、1935年に発表された歴史的な「SSジャガー」と、ブランドの電動化時代の方向性を示す最新の「Type 00」コンセプトカーが並べて展示された。両モデルは90年の隔たりを超え、ジャガーが常にデザインの慣習に挑戦してきた共通の精神を体現している。

会場となったホテルは、ミッドセンチュリー・モダニズムと現代英国の芸術性を融合させた建築であり、ジャガーの芸術的挑戦を象徴する舞台となった。このイベントは、ジャガーが電動化時代においても、創業者サー・ウィリアム・ライオンズ卿が掲げた「コピー・ナッシング（Copy Nothing）」の哲学を継承していることを示すものだった。SSジャガーは、当時の実用的な箱型デザインが主流であった英国車の中で、低いルーフラインと長く伸びたボンネットという異例のプロポーションを採用し、ブランドの礎を築いた。

SSジャガーの精神を受け継ぐType 00コンセプトは、現代の自動車業界の常識に立ち向かう大胆な宣言と位置づけられている。Type 00は、そのアグレッシブなフォルムとプロポーションで未来のジャガーの方向性を示唆しており、その市販版である電気自動車GTツアラーは2026年の発表が予定されている。Type 00は、ジャガー専用のJEA（Jaguar Electric Architecture）プラットフォームを採用し、2026年モデルではEPA換算で航続距離430マイル（約692km）を目指していると報じられている。

ジャガーのマネージング・ディレクターであるロードン・グローバー氏は、ジャガーが常に独創性のパイオニアであり、卓越したデザインと先進的な精神を兼ね備えてきたと強調した。グローバー氏は、2026年の市販モデル発表に先立ち、ジャガーが大胆で予想外、そして妥協のない存在であることを再認識させることが重要であると述べ、Type 00が過去のSSジャガーと同様に自動車業界の既存の枠組みに挑戦するモデルであると断言した。

この記念イベントでは、Type 00コンセプトに施された新しい特注色「ロンドンレッド」が披露された。この色は、ロンドンの赤レンガ造りの建築や、象徴的な赤い電話ボックス、二階建てバスといったロンドンの赤いシンボルから着想を得ており、ジャガーのマテリアリティチームによって手作業で仕上げられた。ジャガーの歴史は、SSジャガーに留まらず、XK120、E-Type、XJS、F-Typeといったモデルを通じて、常に現状維持を拒否し、新たな基準を打ち立ててきた道のりを示している。