指揮者のグスターボ・ドゥダメル率いるベネズエラのシモン・ボリバル・シンフォニー・オーケストラが、ロンドンでのレジデンシーを開始しました。このレジデンシーは、「エル・システマ」創立50周年を記念するもので、2025年8月22日から9月8日まで、ウェンブリー・スタジアムでのコールドプレイとの共演を含む10公演が予定されています。
ドゥダメルは、コールドプレイとのウェンブリーでの10回の完売公演を含むこのレジデンシーに大きな期待を寄せています。オーケストラはまた、8月28日にロイヤル・フェスティバル・ホールでバーンスタインとファリャの作品を披露します。さらに、アビーロード・スタジオとラウンドハウスでのレコーディングも予定されており、クラシックおよびポップスのアーティストとのコラボレーションによるニューアルバムが制作されます。
ニューアルバム「オデッセイ」は2025年8月22日にリリースされ、プラトゥーンなどのプラットフォームで入手可能です。このアルバムには、ゴンサロ・グラウ作曲の「オディセア」が含まれており、アルトゥーロ・マルケスやリカルド・ロレンツの作品も収録され、ラテンアメリカのシンフォニック音楽の伝統を称えています。
このレジデンシーは、43カ国を巡り約1200万人の観客を動員したコールドプレイの「ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ・ワールド・ツアー」の締めくくりとなります。コールドプレイの同ツアーは、史上最も多くの観客を動員したツアーの一つであり、10億ドル以上の収益を上げています。このツアーは2025年9月まで続き、特にインドでの公演では2日間で13万人以上を動員し、21世紀最大のスタジアム公演となりました。
「エル・システマ」は、1975年にホセ・アントニオ・アブレウによって設立された、ベネズエラの青少年育成を目的とした音楽教育プログラムです。50周年を迎える今年は、世界中で様々な記念イベントが開催されており、ドゥダメル率いるシモン・ボリバル・シンフォニー・オーケストラもその中心的な役割を担っています。このプログラムは、音楽を通じて若者に希望と機会を提供し、社会的な包摂を促進することを目指しています。ドゥダメル自身も「エル・システマ」出身であり、その成功はプログラムの力を証明しています。