メゾン・ルイ・ヴィトンが、初の本格的なコスメティックライン「ラ・ボーテ ルイ・ヴィトン」を発表し、ラグジュアリービューティー市場に新たな一歩を記しました。この画期的なコレクションは、著名なメイクアップアーティストであるデイム・パット・マクグラス氏のクリエイティブディレクションのもと、ブランドの伝統と革新性を融合させたものです。
ラ・ボーテ コレクションは、55色のリップスティック「LV ルージュ」、10色のリップバーム「LV ボーメ」、そして8つのアイシャドウパレット「LV オンブル」で構成されています。特にリップスティックは、ルイ・ヴィトンのイニシャルである「LV」がローマ数字で55を意味することにちなんで、55色もの豊富なシェードが展開されています。これらのリップスティックは、サテンとマットの2つの異なる仕上がりで提供され、ローズ、ジャスミン、ミモザの花から抽出された天然ワックス、シアバター、ヒアルロン酸を配合し、快適なつけ心地と最長12時間のうるおいを約束します。また、マスターパフューマーであるジャック・キャヴァリエ・ベルトリュック氏が特別に調香した、繊細なフローラルノートが香ります。
リップバームは、ビルドアップ可能なカラーと最大48時間の保湿効果を備え、軽やかなテクスチャーで唇に自然な輝きを与えます。アイシャドウパレットは、日常使いしやすい3色と、意外性のあるアクセントカラー1色で構成され、マットからグリッターまで多様な仕上がりを楽しめます。これらの製品は、ブランドのトランク製造の伝統と芸術性を反映した、オブジェ・デ・ザール(芸術品)とも呼べるデザインが特徴です。リフィル可能なパッケージを採用し、サステナビリティにも配慮されています。
パット・マクグラス氏は、20年以上にわたりルイ・ヴィトンのファッションショーのバックステージでメイクアップを手がけてきた経験を活かし、このコレクションに独自の感性を吹き込みました。「メイクアップは文化であり、パワーであり、個性です。ラグジュアリーなメイクアップとは、パフォーマンス、クラフツマンシップ、そして感覚的な体験を意味します」とマクグラス氏は語っています。彼女のディレクションにより、製品のテクスチャー、発色、そして使用感に至るまで、細部にまでこだわり抜かれたラグジュアリー体験が実現されています。
ルイ・ヴィトンは、このビューティーラインのローンチを通じて、ファッションハウスとしてのアイデンティティ、芸術性、そしてエンパワーメントを表現しています。このコレクションは、単なる化粧品ではなく、所有する喜びと、自分自身を表現する手段としての価値を提供します。価格帯は、リップスティックとリップバームが160ドル、アイシャドウパレットが250ドルとなっており、ラグジュアリーブランドとしての価格設定がされています。リフィルはそれぞれ69ドルと92ドルで購入可能です。
この「ラ・ボーテ ルイ・ヴィトン」コレクションは、ブランドの歴史とクラフツマンシップを継承しつつ、現代のビューティー市場における新たなスタンダードを確立することを目指しています。この戦略的な展開は、ラグジュアリー業界全体においても、ファッションブランドがビューティー分野に進出する流れを加速させるものと見られています。