オーストラリアとアメリカを拠点とするファッションブランド、プリンセス・ポーリーがBコープ認証を取得しました。この認証は、社会的および環境的責任へのコミットメントを示すものであり、ファストファッション業界における持続可能性の基準について新たな議論を呼んでいます。
Bコープ認証は、非営利団体B Labが管理しており、企業の社会的・環境的パフォーマンス、説明責任、透明性における厳格な基準への準拠を示しています。認証を受けるには、Bインパクトアセスメントで200点満点中80点以上のスコアを獲得する必要があり、プリンセス・ポーリーは86.8点を獲得しました。同社は、新着商品の約30%をオーガニックコットンやリサイクルポリエステルなどの低インパクト素材から調達し、サプライチェーンパートナーと協力して二酸化炭素排出量の削減や循環性の促進に取り組んでいます。2023年には、オフィスおよび流通センターの廃棄物の57%を埋立地から転用し、本社には太陽光パネルを設置しました。また、2030年までにサプライチェーン全体でネットゼロエミッションを達成することを目指しています。
一方で、ファストファッションのビジネスモデルと持続可能性の目標との両立については、業界内でも議論があります。ファストファッション産業は、世界の二酸化炭素排出量の約10%を占め、大量の水を使用し、汚染を引き起こすことが指摘されています。B Labは、これらの議論を認識しており、2026年1月1日以降に申請する企業に対して、気候変動対策や環境管理、循環性といった分野での必須要件を含む、より厳格な基準を導入する予定です。プリンセス・ポーリーの認証は、ファストファッション業界における持続可能性への関心の高まりを示す一方で、そのビジネスモデルと認証基準との間の継続的な対話を促すものと言えるでしょう。