画期的な発見として、ロストック大学とヘルムホルツ・ツェントラム・ドレスデン・ロッセンンドルフ（HZDR）が率いる国際研究チームは、液体炭素の構造の観察と特性評価に成功しました。この成果は、科学技術施設会議（STFC）および欧州X線自由電子レーザー（XFEL）との協力によって可能になり、惑星内部の理解と核融合技術の進歩のための新たな可能性を切り開きます。この研究結果は、2025年5月21日に「Nature」に掲載されました。
惑星内部に存在する液体炭素は、将来の技術にとって計り知れない可能性を秘めています。ドイツのハンブルク近郊にある欧州XFELで行われた実験では、英国製のDiPOLE 100-X（D100-X）レーザーを使用して、固体炭素サンプルをわずか10億分の1秒で液化しました。同時に、X線ビームが回折パターンを捉え、液体炭素内の原子配列を明らかにしました。
「液体炭素の構造を実験的に観察できたのは今回が初めてです」と、ロストック大学およびHZDRの炭素ワーキンググループの責任者であるドミニク・クラウス教授は述べています。測定の結果、液体炭素は4つの最近傍を持ち、固体ダイヤモンドと構造的な類似性を示すことが明らかになりました。この正確な知識は、正確な惑星モデリングと核融合発電の概念の開発に不可欠です。
STFCのDiPOLE 100レーザー技術は、まもなく英国のエクストリームフォトニクスアプリケーションセンター（EPAC）で利用可能になり、将来の研究に革命をもたらすことが期待されています。STFC CLFのディレクターであるジョン・コリアー教授によると、D100-Xシステムは長年の英国の専門知識を表しており、かつては不可能と考えられていた測定を可能にしています。この画期的な発見は、より迅速かつ効率的な実験への道を開き、物質の極限状態のさらなる秘密を解き明かす可能性があります。