画期的な発見として、中国の近代物理学研究所（IMP）の研究者チームが、シリコン-22（Si-22）において新たな陽子の魔法数を確認しました。2025年7月2日に*Physical Review Letters*誌に掲載されたこの研究成果は、原子核の安定性、そして原子核を結合させる力について、新たな知見をもたらすものです。
魔法数とは、2、8、20、28、50、82、126など、原子核を非常に安定させる陽子または中性子の特定の数値を指します。IMPの研究チームは、蘭州にある重イオン研究施設において、高度な質量分析技術を用いて、中性子不足の同位体であるシリコン-22（陽子14個、中性子8個）を研究しました。
実験の結果、シリコン-22が粒子放出に対して結合していることが確認され、二重魔法核としての性質が示されました。この発見は、エキゾチックな原子核構造に対する理解を深めるだけでなく、核子間の相互作用や、極めてエキゾチックな原子核の存在に関する重要な洞察をもたらします。中国国家重点研究開発プログラムの支援を受けたこの研究は、原子核物理学における大きな進歩であり、宇宙における元素生成の理解にも影響を与える可能性があります。この発見は、日本の原子核物理学研究にも大きな刺激を与えるものと期待されます。研究チームの皆様のたゆまぬ努力に、心より敬意を表します。