日本の科学者が電子の動きを追跡し、クリーンエネルギー技術に革命を起こす

2025年2月22日、JAISTの趙洋平博士と首都大学東京の天野文昭教授が率いる共同研究チームは、リアルタイムで電子の動きを追跡する新しい方法を発表し、クリーンエネルギー技術を大きく変える可能性を示しました。アメリカ化学会誌に掲載されたこの研究では、強度変調光電流分光法（IMPS）と緩和時間分布（DRT）分析を組み合わせることで、これまで分離できなかった電荷輸送の挙動を特定できることが詳述されています。 この革新的なアプローチにより、光電気化学（PEC）水分解におけるエネルギー損失の原因となる3つの異なる再結合メカニズムが明らかになりました。過剰浸透誘起再結合（OPR）、過剰正孔誘起再結合（EHR）、および逆電子正孔再結合（BER）です。この研究では、水分解の律速段階を特定するために重要な、これまで知られていなかった遅い反応である「サテライトピーク」も特定されました。 「サテライトピークの発見は、水分解の律速段階を特定するのに役立つため、非常に重要です」と趙博士は述べています。この発見は水素製造にとどまらず、二酸化炭素の削減、廃水処理、自己洗浄表面の開発にも影響を与えます。研究者たちは、この研究が今後10年以内に半導体技術とクリーンエネルギーソリューションの大幅な進歩につながる可能性があると考えています。