カムチャツカ半島では、最近数日間にわたり地震活動が活発化しています。8月10日には、ペトロパブロフスク・カムチャツキーから215キロメートル離れた地点で、深さ33キロメートル、マグニチュード6.0の地震が発生しました。この地震による揺れの報告はありません。
地震活動は8月3日から高まっており、同日には10回の有感地震と65回以上の余震が観測されました。翌日にはさらに7回の地震が記録され、8月9日には43回の余震が発生しました。この地震活動の最中、クレストフスキー火山が噴火し、高度11.5キロメートルまで噴煙を上げ、噴煙は北東方向に460キロメートルに達しました。この火山には航空機への潜在的な危険を示す「赤色」の航空危険コードが割り当てられています。
さらに、7月30日には、ペトロパブロフスク・カムチャツキーの東南東119キロメートル沖で、マグニチュード8.8の巨大地震が発生しました。これは2011年の東北地方太平洋沖地震以来、世界で記録された中で最も強力な地震であり、観測史上6番目に強力な地震タイ記録です。この地震はカムチャツカ半島とクリル諸島に津波警報を発令させましたが、太平洋全域での津波は予想よりも弱く、多くの場所で波は約1メートル以下でした。しかし、シュムシュ島では局地的に19メートルの高い遡上高が記録されました。日本での津波避難に関連して、1人の間接的な死亡と21人の負傷者が報告されています。
この地震活動は、太平洋プレートと北米プレートの間のクリル・カムチャツカ沈み込み帯で発生しており、太平洋プレートは北米プレートの下に年間76〜90ミリメートルで沈み込んでいます。また、8月3日にはクレストフスキー火山の近くで、2023年に建設されたダムが破壊され、土石流や交通障害の可能性が懸念されています。このダムの崩壊により川の水が自由に流れるようになり、火山学・地震学研究所は、7月30日の強力な地震による火山活動の増加に起因すると説明しています。クレストフスキー火山の溶岩は現在ボグダノビッチ氷河に向かって下降しており、氷の融解を加速させています。その結果生じた融解水の急増は、大規模な土石流を発生させており、専門家はこれらの流れが激化し続ける場合、トルバチンスキー渓谷の観光客に直接的な脅威をもたらす可能性があると警告しています。