2025年8月31日深夜(日本時間9月1日未明)、アフガニスタン東部をマグニチュード6.0の地震が襲いました。震源はジャララバード近郊、深さ約8キロという浅い場所でした。この地震により、特にクナル州とナンガルハール州を中心に甚大な被害が発生し、少なくとも622人が亡くなり、1,500人以上が負傷したと報じられています。山岳地帯にある多くの村が壊滅的な被害を受け、家屋の下敷きになった住民の救助活動が急がれていますが、道路の寸断などにより、支援が困難な状況も報告されています。
この地域は、過去にも地震に見舞われており、2023年には西部ヘラート州で発生した地震では1,000人以上が犠牲となりました。アフガニスタンはインドプレートとユーラシアプレートの境界に位置するため、地震活動が活発な地域です。今回の地震は、すでに深刻な人道危機に直面している同国にとって、さらなる打撃となりました。
地震発生後、アフガニスタン当局はヘリコプターを派遣して負傷者の搬送や緊急援助物資の輸送を行っています。現地では、赤十字社をはじめとする多くの支援団体が、捜索・救助活動や医療支援に尽力しています。しかし、被災地のインフラの損傷や、断続的に発生する余震により、救助活動や被害状況の把握は依然として困難を極めています。
国際社会からの支援も寄せられていますが、アフガニスタンが抱える複合的な課題、すなわち紛争、経済的困難、そして頻発する自然災害が、復興への道のりを一層険しいものにしています。特に、冬の到来が近づく中、住居を失った人々への支援は急務となっています。過去の地震からの復興にも時間がかかっている現状を鑑みると、今回の地震からの復興には長期的な視点と継続的な支援が不可欠です。この困難な状況下で、被災者の方々が一日も早く平穏な生活を取り戻せるよう、国際社会の連携と支援が求められています。