2025年8月24日、イーサリアム（ETH）は過去最高値を更新し、4,900ドルを突破しました。これは2021年11月8日に記録された4,867ドルの高値を上回るもので、価格発見の新たな段階を示唆しています。この急騰は、週末の取引で4,700ドル台半ばから上昇し、一時的に4,946.90ドルに達しました。現在の取引価格は4,779.17ドルですが、日中の最高値は4,951.20ドル、最安値は4,725.52ドルとなっています。
この歴史的な価格上昇は、複数の要因が複合的に作用した結果と見られています。イーサリアムのDeFi（分散型金融）エコシステムにおける総ロックバリュー（TVL）が過去最高を記録し、ステーブルコインの利用やLido、Aave、Uniswapなどのプラットフォームでの活動が増加したことが、ETHへの需要を高めました。さらに、中央集権型取引所におけるETHの供給量が減少していることも、価格上昇圧力を強めています。市場に出回るコインが少なくなることで、買い手が価格を押し上げる必要が生じています。
アナリストからは、短期的な価格変動に関する様々な見解が出ています。マイケル・ファン・デ・ポッペ氏は、週末のブレイクアウトは週初めの流動性が正常化する際にリトレースメント（押し目）が発生する可能性があり、価格はサポートを確認するためにブレイクアウトレベルを再テストするかもしれないと指摘しています。しかし、長期的な見通しは依然として強気です。スタンダード・チャータード銀行は、スポットイーサリアムETFの承認やネットワークアップグレードを背景に、2025年末までにETHが7,500ドルに達する可能性があると予測しています。PricePredictions.comは、2025年12月に最高14,509.04ドル、平均13,363.59ドルに達すると予測しています。
イーサリアムの相対的な強さも注目されています。アナリストのマイルズ・デウチャー氏は、ビットコインが疲弊しているのに対し、イーサリアムはそうではないと指摘し、イーサリアムの強さを示唆しています。また、仮想通貨アナリストのCrypto Rover氏は、取引所への準備預金が減少していることは供給の引き締めを示唆しており、これが価格上昇を加速させる可能性があると述べています。
イーサリアムETFへの機関投資家の流入も、価格上昇の重要な触媒となっています。2025年7月には、スポットイーサリアムETFが資産運用額で121億ドルを記録し、特にブラックロックのETHAが牽引役となりました。これらのETFへの資金流入は、取引所でのETHの流動供給を減らし、価格の急騰の可能性を高めています。一部の専門家は、2025年第4四半期までにETF内でのステーキングが承認される可能性があり、これがさらなる機関資本の流入を促すと見ています。
これらの要因が組み合わさることで、イーサリアムは新たな価格発見の段階に入り、その将来的な成長に対する期待が高まっています。市場参加者は、短期的なボラティリティに注意を払いながらも、イーサリアムの長期的な可能性に楽観的な見方を示しています。