仮想通貨取引所を運営し、CoinDeskを所有するBullishは、米国での新規株式公開（IPO）を1株あたり37ドルで成功裏に完了し、11.1億ドルを調達しました。これにより、同社の企業価値は54.1億ドルとなりました。このIPOは、当初の予想レンジを上回る価格設定であり、仮想通貨業界における投資家の関心の高まりと、より整備された規制環境を反映しています。BullishのIPOは、2025年6月に約10.5億ドルを調達したステーブルコイン発行大手Circleの成功に続くものです。CircleのIPOは、仮想通貨セクターへの投資家の信頼が回復していることを示しており、Bullishの今回の結果は、その流れをさらに強固なものにしました。
Peter Thiel氏が支援するBullishは、ニューヨーク証券取引所（NYSE）に上場し、ティッカーシンボル「BLSH」で取引を開始しました。この取引は、JPMorgan、Jefferies、Citigroupが主幹事となり、BlackRockやARK Investといった機関投資家も2億ドル相当の株式購入にコミットするなど、強力な機関投資家の需要に支えられています。この仮想通貨業界におけるIPOの活況は、2025年7月に成立した「GENIUS Act」のような、より明確な規制枠組みの整備によって後押しされています。この法律は、ステーブルコインに対する規制の道筋を明確にし、1対1の準備金要件を義務付けることで、消費者保護を強化し、不正行為に対抗することを目指しています。このような政策の進展は、デジタル資産に対する投資家の信頼感を高め、業界全体の成熟を促しています。Bullishの他に、GeminiやGrayscaleといった他の仮想通貨企業も、米国証券取引委員会（SEC）にIPOの予備申請を行っており、公的市場への参入を検討しています。これらの動きは、仮想通貨セクターが投機的な段階から、より確立された金融市場への統合へと移行していることを示唆しています。BullishのIPOの成功は、仮想通貨企業が公的市場で資金を調達し、事業を拡大するための新たな機会が開かれていることを証明しており、業界全体の成長と革新に向けた前向きな展望を示しています。