ネパール政府は、国内のあまり探検されていない地域への観光客誘致と経済開発を促進するため、今後2年間、カルナリ州とスドゥパシム州にある97の山への登山許可証を無料化する方針を発表しました。この取り組みは2025年8月に開始され、標高5,870メートルから7,132メートルの範囲にあるこれらの山々が、新たな挑戦を求める登山家にとって魅力的な機会となることが期待されています。
この無料化措置は、ネパール政府が進める登山観光の多様化戦略の一環です。エベレストのような主要な山々の許可証料金が大幅に引き上げられる見込みである中、これらの代替ルートはより魅力的な選択肢となります。ネパール観光局のディレクターであるヒマル・ガウタム氏は、これらのあまり知られていない山々の潜在的な魅力を強調し、この政策が国内の観光客の恩恵を全国に均等に分配することを奨励するよう期待を寄せています。
カルナリ州とスドゥパシム州は、アクセスが困難でインフラが未発達なため、歴史的に観光客の活動がほとんどない地域です。しかし、この無料化により、これらの地域に登山者を惹きつけ、雇用を創出し、地域経済を活性化させることで、国内の最も遠隔で開発の遅れた地域への観光と経済開発を促進することを目指しています。同時に、ネパールは過密状態と環境問題に対処するため、エベレストの許可証料金を引き上げており、これらの遠隔地の山々を無料で利用可能にすることで、登山観光の多様化、エベレストへの圧力軽減、そして最も遠い州への収入と機会の提供を狙っています。
この政策は、ネパールの観光セクターに新たな方向性を提供し、国家経済に大きく貢献すると期待されています。ガウタム氏は、「これらの山々は、雇用を創出し、収入を生み出し、地域経済を強化することができます」と述べています。しかし、観光専門家からは、政策だけでなく、公共、民間、地域社会の連携と積極的な広報活動が必要であるとの指摘もあります。これらの地域へのアクセスは容易ではありませんが、無料化措置は経済的利益をもたらし、ネパールの登山観光を多様化させる重要な一歩となるでしょう。