QTM 2025におけるアルメニア：文化、自然、そして高級エコツーリズムへの注力

現在ドーハで開催中の国際観光見本市「カタール・トラベル・マート2025（QTM 2025）」において、アルメニアは世界の旅行業界に向けて精力的にその魅力を発信しています。観光委員長であるルシネ・ゲヴォルギャン氏が率いる代表団は、湾岸諸国をはじめとするグローバルな聴衆に対し、同国の観光ポテンシャルを提示し、アルメニアが安全で多様性に富んだ魅力的な訪問地であるというイメージを一層強化しています。

今回のQTMへの参加は、国際的な連携を深め、観光インフラへの投資を呼び込むという戦略の一環です。アルメニアのブースでは、訪問者はその豊かな文化遺産と壮大な自然景観に触れることができます。具体的には、ゲガルド修道院やガルニ神殿といった歴史的建造物から、息をのむような渓谷や山岳ルートまで、その多様性が紹介されています。

アルメニアは、サステナブルな観光の推進に重点を置きつつ、同時に高級セグメントの開拓も進めています。これには、温泉地、バーリネオロジー（温泉療養学）センター、そして個々の旅行者のニーズに合わせたオーダーメイドの旅程などが含まれており、質の高い体験を求める旅行者層をターゲットにしています。

2025年1月から9月までの統計によれば、同国への関心は顕著に高まっており、この10ヶ月間で190万人を超える観光客が訪れました。旅行者の最大の供給源はロシアであり、それに続いてグルジアとイランが上位を占めています。一方で、カタールからの観光客数は前年比で8パーセントの減少が見られています。

アルメニアのプレゼンテーションにおいて、ガストロノミーは非常に重要な位置を占めています。来場者は、名物のホロヴァツ（バーベキュー）、ドルマ、そしてアレニをはじめとする土着品種のワインを試飲する機会を得ています。アルメニア産コニャックに対する世界的な関心も高まっており、新たなワイナリーでは試飲会やワイナリーツアーが提供され、注目を集めています。

文化的な側面では、ケチャリス修道院複合体など、古代の修道院群に関する紹介も重要な要素です。これらの歴史的建造物は、アルメニアの深い精神性と歴史を物語っています。

アルメニアは、QTM 2025において、旅行者に対して鮮烈で、奥深く、そして本物であるという体験を提供することで、その存在感を力強く示しています。